「学ぶ事と人の繋がり両方の大切さ」 安喰 伸明(8期生)

 私がこの大学を知ったのは野田一夫先生が大学を創られていると言う話を聞いた事から非常に興味を持ちました。立教大学社会学部観光学科は設立当初学内から非常な反発を受け「ホテル観光科」と呼ばれ「学問ではない」と叩かれたと言う話を聞いていますが、今では立教大学観光学部は「花形」です。
 そんな先生が多摩大学と言う経営専門の大学を設立する事と言うこともあり、家業を継ぐ意志を決めていた私は、大変興味を持ち入学しました。
 入学当初から経営者として将来やらなければならない色々な基礎の科目が多くあり、様々な勉強をさせてもらい、今現在でもそのノートは参考にする事があります。逆に卒業した跡の方が参考になると言うのはこの大学の特性ではないでしょうか?
 経営者になるのに必要なのは「学校歴」よりも「何を学ぶか」にあると思います。有名大学であれば何処でも何学部でも良いと言うのでは、人脈は出来でも経営の基礎を学ぶ事は難しいでしょう。また人脈は自分で切り開いて行けるものです。野田一夫先生の言葉に「多摩大学だけをキャンパスと思わず、東京すべてをキャンパスと思いなさい」と言う言葉がありますが、卒業して8年になる現在でも経済の専門家であられる井上宗迪先生にお頼みして97年に設立した、井上宗迪シャドウゼミ(通称:FEIR)の代表として活動し大学時代は既に宮城公立大学の学長になられていた野田一夫先生の所へ観光バスをかりて40名近くで訪問したり、日本の技術力を示すような企業の経営者とお話したり、他大学との連携も強め現在も13大学 約60名の参加者がおり経済情勢の勉強を通してよき交流をさせて頂いております。
 また、野田一夫先生の「多摩大だけがキャンパスではない」という言葉に従い上智大学や明治大学などで科目履修をさせて頂きました。
 このような活動を通して、人と人の繋がり、多くの友人を大学時代に得る事によって更に大事な物にする事が出来ました。卒業して8年後の今でも、先輩・同期・友人・後輩達は遊びに来てくれています。「近くに来たので寄ったよ」とか「今度転勤する事になってさ」とか「結婚する事になりました」とか、私の在籍時、1学年僅か360名足らずの大学で様々な人と人の繋がりが出来、感謝しております。
 また学問以外にも社会人として人として、今はご退官された特に楠先生を始めとする先生方を通し、様々な先生に時に厳しく、時に優しく指導された事、卒業後も色々な先生方にお世話になっている事は私には大事な宝です。大きな大学ではこれほど多くの先生方にご指導を受けられることはまず無かったと思います。楠先生の音楽論は音楽と言うより、「人生論」でありました。いつもスタジオで色々な話をさせて頂き本当にお世話になりっぱなしで感謝以上に恐縮しています。
 ゼミも基礎ゼミは椎木先生と楠先生でしたが椎木先生には昭和史と言う本通して、ゼミが加熱し、私らで自発的(自然)に夏休みに合宿のように集中ゼミを先生に頼んでやる事になったりして「こんな基礎ゼミ初めてだ」と苦笑いされながらも色々と学び、ゼミが終わった後も皆で大学の近くで朝まで話していたのは良い思い出になっています。
 本ゼミは楠ゼミと杉田ゼミでありましたが、杉田ゼミのレジャー産業を学ぶ事も無論ですが、それ以上に?先生とゴルフに行く事も私にはとても楽しみでありました。
 様々に活動する事によって得られた学ぶ事の「宝」、人の繋がりの「宝」。私の大学4年間はその様なものが多くあり、心から感謝しています。
 昨年末に後輩の結婚式に列席している中で後輩も社会の第一線で素晴らしい活躍をしている姿を晴れの舞台で見てもまた大学で本当に多くの「お金で買えない宝」を得たことを実感しています。これからも「お金で買えない宝」に感謝し大事にして行き、学んだ事の宝と人の繋がりの宝を大事にして行きたいと思います。
 最後に「お金で買えない素晴らしい宝を与えてくれてありがとう」言うメッセージを添えて終わりの言葉にさせていただきたく思います。