「今となって振り返ると…」 横島 明(1期生)

多摩大学付属聖ヶ丘高校、ソフトバンクドラフト指名。
毎日欠かさず読んでいるデイリースポーツの囲み記事を読んで驚いた。
高校野球の強豪校でもないのにプロの球団から指名を受けていたのだ。
その時、何故かもう20年近くも前の出来事を思い出していた。
普段あまり思い出す事も少ないのに。
全く関わりの無い付属高校生のドラフト指名の件で記憶がすばやく駆け巡ったのだ。

合格発表を見た帰りの坂道の夕日、入学手続きの書類に入っていたCD、
パルテノン多摩での入学式、学園祭実行委員会、サークル連合会、
色々な多摩大での出来事が駆け巡った。
その時、ふと考えてみると、何故か勉強した事を思い出せない。何故か。
確かに自分自身は頭が良いとは言えない。勉強も熱心にやった記憶も無い。
そして多摩大で何を学んだ、何を得た、と答える事が出来ない。
正直寂しい思いがした。少なくても4年間学んだはずなのに...。
卒業して15年近くたって今は非常に残念でならない。
もう少しその時に勉強すれば、世の中のしくみ、出来事をもっと理解する頭が出来ていたかもしれない。
当時としては画期的な経歴の諸先生方、世の中=社会というものを存分に教えてもらえたはずなのに。
非常に残念でならない。

今、学んでいる皆さんは、このような思いをしてもらいたく無い。
これは社会に出で、ある程度の時間がたって思い返すと非常に悔しい思いをするからだ。
ひとつでも良いので、記憶に残る勉強をしてもらいたい。
そういえばこんな勉強をした、こんな事教授が言っていた。なんて事でも良いのである。
何かひとつ頭に残る勉強をしてもらいたい。

遊んだ楽しい出来事も結構だが、学んだ楽しさという事も頭に残してもらいたい。
この文を読んで、何を言ってんだかと思うかもしれないが、卒業して何年、何十年とたって、
思い出す事が出来ない事は非常に寂しい思いを在校している皆さんに味わってもらいたくないからだ。
せっかく素晴らしい学校にいるのだから...

そして卒業している皆さんには、今の時代を突っ走ってもらいたい。
多摩大学での楽しい思い出を振り返らないで、今を突っ走ってもらいたい。
そしてある程度たったら振り返ってもらいたい。楽しい素晴らしい思い出を思い出してもらいたい。
今は仕事もプライベートも充実した年代だと思うので。
私も卒業して15年近く、年齢も40近くになっています。
社会に出て、荒波にもまれ、色々ありました。
でもまだ楽しい多摩大学での振り返りは一瞬だけだと思っています。
まだまだ突っ走りたいと思っています。まだまだ走り続けたいと思っています。
多摩大学の栄光と共に...

あとがき:
京王百貨店新宿店 紳士靴・スポーツシューズ売場マネジャーとして 頑張っています。
靴をご購入のお考えの方は是非当店で。 結婚して6年、まだ子供はいません。
熱烈なタイガースファンです。今夜も快勝と喜んだ広島のホテルにて..